ムラーノ・FF仕様、街乗りならこれで充分!
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:小林 俊樹
とても個人的な意見だが、SUVはいかにエロスが感じられるか否かが重要だと思う。特にそれが街乗りメインのSUVならば。
事実、ポルシェ・カイエンがなぜあれほどウケたかを分析すれば、ポルシェ初の非スポーツカー=多人数乗車を可能にした点は理由として大きいが、それと並んで街乗りに相応しい艶っぽさを感じさせるスタイルと雰囲気を備えていたからではないかと僕は思っている。いわゆる“夜仕様”として相応しいか否か。
もちろんアウトドアに使ったり、ファミリーで使う“昼仕様”がメインならば、確かに艶やかさは不要だし、理路整然とした実用デザインもまた許容範囲だろう。しかし街乗りで、それこそ昭和のスペシャルティカー的な意味合いを含むヴィークルならば、そこにはクーペやコンバーチブルに匹敵するパーソナル感や艶っぽさが重要になってくる。カイエンにはそれが確かにあったわけだ。
そして良い意味で、日産ムラーノにはそれと同じ匂いを感じる。先代もそうだが、2008年に登場した2代目モデルは、先代と比べてもさらにアクの強さが増したわけで、スタイルと雰囲気から感じ取れるのはやはり、かつてのスペシャリティカー的な艶やかさであり、夜仕様として相応しい存在感だ。
だからムラーノは都会で映える。試乗車を受け渡ししたのは渋谷だったが、こうした場所でこその(夜なら最高の)SUVだとすら思える。もちろんそこにはちょっとしたチャラさがあって硬派からは眉を潜められるかもしれない。が、そうした感覚を受け入れられなければ、街乗りSUVとしては物足りないし、そうした要素がなければカルチャーの側にいられるクルマにならない。ようは夜の街に、いかに映えるかが街乗りメインのSUVの命で、この点においてムラーノはなかなかイイ線いってるんじゃないか、と僕は思うのだ。マジで。
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